Hananoka

Water

火山と水の物語

古の神社の井戸 阿蘇火山堆積物の岩盤から清水が湧き続ける

阿蘇火山堆積物

古の神社の井戸 阿蘇火山堆積物の岩盤から清水が湧き続ける

清水が湧き続ける

古の神社の井戸 阿蘇火山堆積物の岩盤から清水が湧き続ける

酒蔵の横を流れる和仁川

酒蔵の横を流れる和仁川 阿蘇カルデラがもたらした菊池川水系のひとつ

火山と水の物語
The Story of Volcanoes and Water

地下水都市熊本市の北に位置する「和水町」に湧き出る井戸水で酒を醸す。

日本酒の成分中の約80%を占める水は、米とは異なる作用で味覚に静かなテクスチャーを与える産土(テロワール)の要素です。日本文化において、水は神聖なものでもあり、「清らかな水」としての成り立ちはとても重要な意味を持ちます。私たちの酒蔵には活火山「阿蘇」と深い関わりを持つ独自の水の物語があります。

私たちが使っている水は、僅かに感じるとろみを特徴とした中硬水(87mg/L)で、代々守り続けてきた神社の井戸の水です。
その井戸は火砕流堆積物が凝固した岩盤をくり抜いたもので、岩盤層からは水が染み出し、井戸の底にあたる下の礫層は粘土で満たされていて水を通しにくいため、その礫層で受け止められた水が貯留されています。
井戸の岩盤層と礫層は町の地下へ続き、岩盤層はさらに世界有数の阿蘇カルデラへと辿ることができます。和水町は古代の巨大火砕流跡の上にある町なのです。
世界的な地下水都市である熊本市から離れていても、豊かな水環境があるのは、この独自の地層構造に由来するものです。

私たちの酒蔵では米の品種や状態、季節や温度により、仕込みごとに適した水の使い方をしています。その一方で「井戸の水神」を敬う祭事も続けています。酒造りに向き合う「心の清らかさ」を保つことも必要だからです。

Pure water is vital in the production of sake, and Nagomi-machi lies just to the north of Kumamoto City – nationally famous as the Groundwater Capital of Japan.

Eighty percent of sake is water, and water has a subtle but important influence on the texture and flavor of sake in a very different way from rice.
Water has long been held sacred in Japanese culture, therefore the sources of water also have important cultural meaning.
Our brewery and the water we use for our sake have a deep and unique connection with a volcano located in the Aso Mountains.

A subterranean pyroclastic layer of bedrock begins rather far away at Mt. Aso, one of the world’s largest calderas, and continues for a vast distance. Nagomi-machi is located directly above this ancient pyroclastic flow, and water percolates through the bedrock. Underlying gravel is filled with clay through which water cannot flow, therefore water accumulates in this layer. The well from which we draw our water was drilled and carved from this bedrock under the precincts of a local shrine, and has been maintained for many generations.  Hananoka Brewery uses a high-quality, medium-hard water (87mg/L) characterized by a subtle viscosity.

In each and every preparation we use our water in ways that take optimum advantage of rice cultivars, conditions of terrain, and seasonal and temperature variations.

世界有数のカルデラ火山「阿蘇」と水の物語

日本酒の酒造用の水は水道水よりも、成分の基準が厳しく設定されています。花の香酒造の仕込み水にはその基準をクリアした井戸の水というだけではなく、世界一のカルデラ火山「阿蘇」との深い関わりを持った「特別な和み町の水」としての物語があります。

和水町は世界有数のカルデラ火山「阿蘇」から約40キロ離れた、熊本県の北西部にある南北に長い町で、和仁川を含む3つの川が菊池川に流れ込んでいる地形です。阿蘇火山では約27万年前から、4度にわたる大規模な火砕流噴火があり、その中でも約9万年前の「阿蘇-4」と呼ばれる火砕流大噴火は、九州の地形を変えるほど巨大なものでした。約9万年前この「阿蘇-4」のとてつもない量の火砕流が、古代地層群が侵食されてできていた窪地に流れ込んだことで、和水町の台地が形成されたという特殊な成り立ちがあります。

*阿蘇火山では27万年前から9万年前にかけて「阿蘇-1」「阿蘇-2」「阿蘇-3」「阿蘇-4」の4つの火砕流の噴出があった。

阿蘇から和水町
「阿蘇」から約40キロ離れた和水町
9万年前の火砕流大噴火
約9万年前の火砕流大噴火

(提供:肥後の水とみどりの愛護基金©)

和水町も火砕流で覆い尽くされた
ここ和水町も火砕流で覆い尽くされた

(提供:肥後の水とみどりの愛護基金©)

噴火後の地下に帯水層が形成
噴火後の台地の地下に帯水層が形成

(提供:肥後の水とみどりの愛護基金©)

独特な岩盤構造が和水町の水資源を育む

興味深いのは、火砕流の受け皿となった窪地の”水を通しにくい粘土で満たされた礫層”の上に、火砕流堆積物が凝固した硬い岩盤層が形成され、その独特な構造が和水町独自の地下の水資源環境を育んできたこと。
酒蔵の横を流れる和仁川の川底には、その火砕流堆積物の岩盤層が露出していて、いつでも目で見ることができます。
こうやって周囲を山に囲まれた台地地形の成り立ちから「特別な和水町の水」は産まれ、今も町のあちこちに石清水として湧き出ています。

和仁川周辺に見られる火砕流堆積層
和仁川周辺に見られる火砕流堆積層
菊池川水系のひとつ
和仁川
酒蔵前を流れる和仁川
湧き出る水
湧き出る水は菊池川水系の水流へ

滾々と井戸に湧き出る「特別な和水町の水」

岩盤をくりぬいて掘られた花の香酒造の井戸。その底はさらに地下深く続く、大きな土粒子による礫層です。礫層の隙間を埋めているのは砂より細かな粘土質で、水を通しにくい性質を持ちます。その上は「阿蘇-4」火砕流堆積物が凝固した約6mの岩盤層が地表近くまで続いています。
「阿蘇-4」火砕流堆積物の岩盤層を通った水は、礫層が水を下に通さない水層の役目をして井戸底に溜められ、さらに、古い地質層からの水も加わることで、地下水が湧き出る仕組みになっています。
地下水が流れる速さは、速くても毎秒 0.01cm~0.1cm、(1日に10m〜数10m )程度。毎日その穏やかな速さで、滾々と私たちの「特別な和水町の水」が枯れることなく湧き出し続けています。
自然のこととは言え、その恩恵の中で花の香独自の日本酒が産み出されることに、私たちは日々の感謝を続けています。

神社の敷地にあった井戸
明治時代は神社の敷地にあった井戸

現在は酒蔵の中心「花回廊」の中で守られている

豊かな水
良質な米づくりに豊かな水は欠かせない
水は全工程で使われる
酒づくりで水は全工程で使われる
産土シンボル
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