Hananoka

Induction

麹室での麹の種付け

麹室での麹の種付け

生酛造り

生酛造り(きもとづくり)

酒母

酒母(生酛造り)

熊本9号酵母

培養された熊本9号酵母

醪(もろみ白)櫂入

人の導きと選択
The Role of the Sake Brewer

自然に添えば日本酒づくりはシンプル。しかしそれを産み出す選択は難しい。

私たちにとって日本酒を造るということは「人が自然から導き出す=醸す」というシンプルなことです。しかしシンプルであるからこその難しさがあります。そのため人はあらゆる努力をして、自然や米や微生物を理解し、豊かな味わいと個性を持った日本酒として生まれ出るように、様々な選択でその導きを助けます。

土の選択、在来種の米の選択、自然農法の選択、米を殆ど研がない低精白の選択、日本で最初に高品質の吟醸酒を実現した熊本9号酵母の選択、伝統的な製法「生酛づくり」の選択、無添加の選択など、私たちは常に難しい選択を試み続けています。自然由来のものを、人が既成概念にとらわれずに考え抜いた選択で組み合わせ、より自然で花の香酒造らしい美味しさを導き出すこと。それが私たちの酒造りの理想であり、変わることのない姿勢です。

私たちにとって酒づくりの製造工程となる「仕込み」は、土づくりから、手の上の一粒の種籾からすでにはじまっています。自然相手の取組は時に失敗や、予想外の結果など不安定なゆらぎを生み出すことがあります。しかしそのゆらぎは、江戸時代の熊本の酒「赤酒」の復活や、酵母無添加の酒づくりの研究など、新しい挑戦へと私たちを導いてくれるのです。

Making sake is simple if you follow the ways of nature, but the choices and decisions that go into this simplicity are anything but easy.

For us, making sake is a ‘simple’ matter of ‘inducing sake out of nature;醸す kamosu’.
‘醸す Kamosu’ means to generate or bring about, and sake brewers strive to bring about their product through a knowledge and understanding of nature, rice, and micro-flora in all their aspects. With insight guiding selections and decisions, the brewer will induce a sake from nature that is rich in originality and flavor.

In the selection of soil, the selection of domestic cultivars, the selection of natural farming methods, the selection of levels of rice polishing, the selection of traditional Kimoto-zukuri brewing techniques, the selection of Kumamoto No. 9 sake yeast (the source of the first truly high-quality ginjo-sake), and the decision to include no additives – we are deeply involved in every choice shaping our efforts.
By bringing together these natural materials and avoiding preconceived ideas, we allow more of the natural and unique flavor of our sake to be revealed. This is our commitment and the unchanging mission of Hananoka Brewery.

‘仕込み:Shikomi‘ – the preparation process – begins with making soil and selecting rice for planting. Working with nature is an unpredictable undertaking and sometimes leads to unexpected and not wholly successful results. However, these experiences have enabled us to reconstruct Kumamoto’s traditional ‘赤酒:Akazake’ – ‘red sake’ – as it was drunk during the Edo Period. This and, research into yeast-less sake have opened up new and challenging avenues to explore.

酒を導き醸すための「選択」と、人の関わり

私たち花の香酒造の酒づくりでは、産土の成り立ちの中から酒を導き醸すために、できるだけシンプルな方法で何を選び、何を続けていくか、人がその選択にどうか関わるかを最も大切にしています。
米では品種と品種の特性にあった、自然農法や手植えのなどの栽培方法の選択を行い、精米では米への愛情と敬意から、できるだけ研かずに最高品質の酒を目指す「低精白」を選択することもあります。また製造方法では生酛造りや木桶の使用など、伝統的な製法の選択が常にあります。酵母では数多い中から熊本生まれの9号酵母を選択しています。そして最後は何も加えない無添加の酒であることを選択します。
人は産土への敬意と自然の働きに学びながら、思考を重ね、自分の心にしたがって選択をし、花の香酒造らしい酒が導びかれていくことを手助けする存在なのです。

麹米づくり
麹室での麹米づくり
出麹の準備
白熱灯をつかった出麹の準備

花の香酒造の「酒の仕込み」は米の栽培から

私たちの酒づくりの仕込みには独自なものです。一粒の米の種籾、米づくり、土づくり、環境づくりから始まっています。製品のような区切られたステージではなく、相互に関係性がある生きた流れとして意識することを重要視しています。時に不安定になることもありますが、もたらされるものも大きいのです。
今の技術レベルなら品質の良い素材からは、確かに品質の良い酒を醸すことができます。しかしその方法では自分たちが思い描く、味覚と個性を持った新しい酒を産み出す試みはなかなか難しく、私たちの酒づくりの理想とロマンを実現させるために、あえて楽ではない仕込みを選択しています。

米の研ぎ歩合
米の研ぎ歩合

(左下、左から90%、70%、60%、50%、35%、20%)

「日本酒の未来」への挑戦をはじめています

選択にはいつも挑戦が伴います。当然、失敗もありますが、その経験から新たな発見が生まれるのは科学と同じです。今、私たちは従来の選択肢にはない酒づくりの挑戦をはじめています。在来種を使った米を酵母を添加せず自然の酵母でゆっくり時間をかけて発酵させる、酵母無添加の研究、米を研がない低精白の酒造りの研究、江戸時代の生酛造りや木桶をつかった伝統製法を進化させる研究、さらに従来では商品化に向かなかった独特の個性をもった手強い香りを、熟成して変化させる研究など、どれも飲み手のみなさんと、私たちの酒づくりを支えてくれる土地の皆さんのための挑戦であり、同時にある意味、型破りな方法での、私たちなりの日本酒の未来に向けた進化でもあります。

生酛造り
生酛造り(きもとづくり)
息を合わせた作業が続く
生酛造りは息を合わせた作業が続く

9号酵母と赤酒のエピソード

私たちは協会1801号など、多くの酵母の中から、私たちの酒づくりに最適と思った酵母を選択しています。現在主に使っているのは熊本生まれの酵母「9号酵母」。明治時代に熊本県酒造研究所の野白金一氏の手によって分離・培養された別名「熊本酵母」とも呼ばれる、吟醸酒ブームの火付け役となった酵母です。
あえてこの9号酵母を使うのは、より米の産地に近い場所で生まれた酵母だからです。興味深いのはその9号酵母誕生の影で衰退したのが、熊本のお国の酒「赤酒」だったということ。赤酒は現在、料理酒として僅かに伝承されていますが、今私たちの手によって、新しい魅力を持った「飲む酒」として再び登場する日を待ち続けています。選択は時に冒険ですが、冒険こそ失ってはいけない酒づくりの創造力です。

培養された熊本9号酵母
培養された熊本9号酵母
仕込み
酵母と対話しながら仕込みを決める
産土シンボル
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